| 2006年度ツアー第7戦・μカップイン横浜観戦記 | |||||||||
| 麻将連合ツアー選手・下出和洋 | |||||||||
決勝戦に進出した4人の顔ぶれを、起家から順に紹介しよう。(ポイントは準決勝までのトータル。以下敬称略)
3回戦終了後、ここまでトータル13.4Pの黒澤耕一郎ビッグワンが話しかけてきた。 「オレの今までの経験だと、4回戦で大稼ぎすると、このまま(決勝まで)行っちゃうもんだよ」 さすがは「元祖カーニバル」。経験しているだけあって、言葉の重みが違う。 しかし、4回戦にカーニバルを起こしたのは黒澤ではなかった。3回戦まで▲0.6Pの16位の明村である。普通のトップでは進出できない明村は、実に38.0Pを稼ぎ、8位に滑り込んだのだ。 そして準決勝も大きい2着(21.2P)で、黒澤の予言通り(?)決勝に進出した。 こういう過程があったので、今回は明村に注目していた。かなり個人的な理由だが。 東1局その1(※牌譜1)、トータルポイントの差が大きい決勝戦らしく(?)、いきなりの大乱戦。 まずは明村の5巡目。 ここからドラをリリース。ここまでの捨て牌もピンズの一色模様。注目されたのは言うまでもない。 9巡目には田中の打 しかしここから始まったのは、一人旅ではなく三つ巴。まず対抗してきたのは、トータルトップの久井。10巡目に忍田が切った2枚目の ちなみに 久井はその後、 通常なら、「明村の安全牌が増えてラッキー」と思う局面のはずなのだが、やはり初の決勝の舞台がなせる業なのだろうか? 結局は2人がかりの遠いかわし手は実らず、明村の3000・6000となった。 この3人の空中戦、1人取り残された親の忍田の心境やいかに。 東2局その1、久井が臆することなく7巡目リーチ。 このリーチに、既に5巡目にテンパイしていた明村が飛び込み、3900の支出。 愚形とはいえ、「あわよくば」という思いがあったのだろう。現物の一で回る手もあったが、親番の役ありテンパイだけに微妙なところ。 東3局その1、今度は逆に明村が久井から7700を直撃。いわゆる「デバサイ」だ。 久井には申し訳ないが、見ている側としては面白い展開となった。私の予想通り、やはり明村が来るのか? 東4局その1は(※牌譜2)、久井が暗雲を振り払うかのように、ダブ ちなみに ドラ周辺とメンツ手のロスを嫌がるような、アバウトな攻め屋の一打ならまだわかるが、丁寧な打ち回しには密かに(?)定評のある明村だけに、意外な気がした。ひとまず もっとも 東4局その2(※牌譜3)、開局以外は大人しくしていた田中が 2人に挟まれて困ったのが忍田。「スジくらいなら」と切った 田中 忍田 アバウトな攻め屋ならいざ知らず、普段の忍田ならばおそらく久井の打 忍田は終局後、「東1局の仕掛け合戦を見て、仕掛けに対する間合いを甘くしてしまった」と悔やんでいた。 南1局その1は、田中の1人テンパイ。ミューのツアー審査に出そうな最終形だ。何待ちでしょう? 南2局その1(※牌譜4)、田中が13巡目にリーチ。田中の捨て牌は次の通り。 14巡目、明村の手牌。 ちなみに、南1局終了時のポイント状況はこうなっている。(カッコ内は順位点込みのトータルポイント) 忍田 ▲16.0(49.3) 明村 +13.8(84.4) 田中 + 7.0(66.2) 久井 ▲ 4.8(91.6) 親番とはいえ、東2局の時とは手牌もポイント状況も違う。リーチに対してはオリ切れそうで、何よりも自分の手牌が「苦しいイーシャンテン」であることだ。仮に田中にツモられても、南3局以降もチャンスが残っている。 明村の決断は 「勝ち急いだ」とか「目がつりあがっていた」とか、結果を見て言うのは簡単である。しかし、ツアー選手になって初めての決勝戦で、普段通り打つというのはなかなかできない。明村にとって、この舞台でのこういう経験は次回以降に必ず生きるはずだ。 南3局その1、明村に代わって優勝争いに名乗りを挙げた田中がどれだけ連荘するかが焦点だったが、久井が田中から渾身の1000点をアガる。 南4局その1。久井は配牌からオリ。これは恐らく初めての体験だろう。 久井は田中に6400、明村に8000以上振り込めない。しかも、自分の安いアガリは相手にチャンスを与えるだけなのだ(フリーならアガりやめがある)。 しかし、久井を追う2人とも条件どおりの手が入らず、そのまま流局。 これで久井の初優勝が決まった。 久井の勝因の一つは、日頃染み付いたフォームで打てていたことだろう。 技術面はところどころ隙を感じたものの、堂々とした対局姿勢はなかなか出来るものではない。これからも精進していけば、まだまだ成長するだろう。 改めまして、久井竜さん、初参加での優勝おめでとうございます。これからも是非ミューカップなどに参加してほしいですね。
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