| 2006年度ツアー第5戦・μカップイン長崎観戦記 | |||||||||
| 麻将連合ツアー選手 下出和洋 | |||||||||
| 決勝(ポイントは準決勝までのトータル。以下敬称略) 起家から、
東1局、いきなり鶴が三上から直撃(牌譜1※)。 中盤以降に若干脂っこいところを切っているとはいえ、ジュンチャンにはとても見えない。鶴よりも7巡も前にテンパイしていた三上にとっては不運な8000支出となった。 東2局には、三上に この4000オールで相当優位に立った。後は局を早く進めるだけだ。 一方、開始時のトータルトップだった三上は、東4局に藤原の8000につかまる。 ラス目の三上にとっては貴重な親番なのはわかるが、すでに17巡目にもかかわらず、まだノーテン。前巡の藤原の打 さらに南1局、今度は服部にも6400を食らう(牌譜2※)。 ちなみに あわよくばのチートイツ・ドラ2を見て、 その後、鶴はラス前まで淡々と進める理想的な試合運び。あとは三上の親を流すだけとなった。 あまりの進行の早さに、「開会式の選手紹介とかちゃんとやっておけばよかったかな(※注)」と、当日運営も担当していた私は、冷や汗をかきながら少し後悔していたものだ(笑)。 南4局その1は、三上が3巡目リーチ。誰も追いつく間もなく、2600オールのツモアガり。 南4局その2(牌譜3※)、三上が残りツモ3回でようやくテンパイ、そしてリーチ。 同巡、服部もリーチ。 服部の優勝条件は、鶴から7700、ハネ満ツモ。手なりでは決してこうならない手牌進行で、見事に条件通りの手作りを果たした。 そのまま流局かと思われたが、服部が 一方の服部は、鶴から倍満、ツモは3倍満が必要となり、優勝争いからは事実上脱落。 南4局その3、鶴が11巡目にテンパイを果たす。 しかし、すでに山には1枚しか残っておらず、最後の1枚も藤原のところへ。その藤原、自分の条件を満たせないとみるや、三上のテンパイをアシストする「延命作戦」。 もちろん、自分の優勝の望みをつなぐためのものだ。これは見事。そして、三上の1人テンパイ(鶴は最終ツモでオリた)で、あと9.8差。 その4は三上と鶴の2人テンパイで、点差はそのまま。 南4局その5、10巡目、三上がツモれば逆転のリーチ。 13巡目、優勝の可能性がほぼない服部が、ドラ切りリーチ。 現状トータル3位の服部、ツモれば三上をかわして2位になるのだ。 結局そのまま2人テンパイで流局。 その6は三上が4巡目にあっさり700オールとリーチ棒2本の回収。これで3.0差まで迫った。 南4局その7(牌譜4※)、三上がいつもより大きなモーションで9巡目にリーチ。 続いて服部が12巡目にリーチ。 アガればトータル3位入賞。優勝するには3倍満ツモ、出アガリに至っては役満が必要なのだ。「優勝条件を満たさない限り、何もしない」という選択をする人もいるだろうが、価値観は人それぞれ。 対称的に、「自分に優勝条件が残っている限りは、可能な限りの手を尽くす」のが藤原。藤原の優勝条件は、ロン・ツモ共に役満が必要。三上が連荘すれば、次の局に役満が入るかもしれない。しかし、服部にアガられるとゲームセット。 ならばと、服部の現物なおかつ三上がアガリ易い牌を切り出した。見事一発目に的中。 藤原がとった戦略にも賛否両論はあるだろうが、先程の服部と同様、正しいとか間違いとかで括れるものではないと思う。 何はともあれ、ついに逆転を果たした三上。更なる追加点で、鶴を引き離したいところ。 南4局その8、今度は1.9差を追う立場となった鶴が、2巡目に早々と仕掛ける。 そして11巡目、ついにテンパイ。 12巡目にツモ 一方、三上も一足先にテンパイしていた。 14巡目、三上に訪れたのは、鶴のロン牌でもある 鶴の現物でもある と思いきや、「リーチ!」と、気合いの入った声を発しながら、横向きに置いたのだ。 まさに「冷静と情熱のあいだ」(かなり古いね)だ! その時、鶴は三上が切った もっとも、鶴が そして流局。決着は最終局へと持ち越された(今回は110分+1局の制限時間あり)。 使い古された表現だが、「泣いても笑っても」南4局その9が最後の1局(牌譜5※)。 三上と鶴の点差は1.9のままだが、前局に三上が残したリーチ棒がある。つまり、三上と鶴はアガった方が優勝なのだ。 鶴が1巡目に、貴重な1翻の素でもある そして10巡目、鶴が先にテンパイを果たす。 その つまり、決着方法は、二人のどちらかが そして、14巡目。 鶴はこのヌルリとした感触を一生忘れないだろう。「産みの苦しみ」とともに。 そして、地元の麻将仲間の祝福、会場内にいた多くの観戦者からの大きな拍手も。 以前、当団体の会報誌「新世紀」でも、あるツアー選手のリポートで「地元の若き強豪の一人」と紹介された事がある。 あれから3年、「優勝」という結果でそれを証明した。 鶴祐輔さん、おめでとうございます。
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