07年プロランキング戦・2日目リポート
三原 孝博
今期は将王ゆえランキング戦には出場していない。こうやって定期戦に出ないのは初めての経験なので、なんだか調子が狂う。
 毎節、立会人をしていて、一応メモを取っているので、2日目はリポートでも書いてみようと思う。“観戦記”ではなくて、あくまでも“リポート”。それほど集中して見ているわけではないので、これを“観戦記”と言っては対局者に失礼ですからね。(文中敬称略)

プロランキング戦のルールとシステム
一発・裏ドラなし、ノーテン罰符なし、テンパイ連荘。

同一メンバーで半荘2回を戦い、持ち点の多い順に+3、+1、▲1、▲3のポイントがつく。(途中で場所替えのある1荘の順位戦)

各人(将王を除く認定プロ11名)8節を戦い、上位5名がμリーグ出場確定。
6位〜9位の4名でポイント持越しのプレーオフ1セットを行い、その上位2名もμリーグ進出。


◆2日目◆

第3節B卓1半荘目、起家から、須藤(+1)・井出(▲3)・山本(±0)・小林(▲3) ( )内はここまでのポイント

 結論から言えば、須藤の苦悩が目立つ節だった。
 始まりは東2局その2、11巡目に翻牌を仕掛けている親・井出が捨てた四萬を合わせ打つと小林がロン。
三萬五萬九萬九萬二筒三筒四筒五筒六筒七筒西西西 ロン四萬
 小林は前巡、次の形からターツ選択。
三萬五萬九萬九萬二筒三筒四筒六筒七筒六索七索西西西
 五索八索索は良さげに見える受けだが、井出の現物六索を抜いた。次巡、テンパイ時の打牌七索は完全安全牌ではないものの、多少安全度の高いところ。

 配牌からオリ気味に進めていた須藤、当然小林のターツ選択は見えていたに違いないが、小林のジャストテンパイの確率、自分の手牌の安全牌の枚数、巡目などを考慮して、完全安全牌を抜かずに打四萬としたのだろう。
 しょうがないと言えばそれまで。ただ、こういったときの心境は人それぞれ。須藤はどうだったか?

 続く東3局は山本の2000オール。そして東3局その2、中盤での須藤の手牌はこんな形。
三萬四萬二筒四筒一索二索三索四索五索六索七索白白 ドラ白
 11巡目に持ってきた七萬をツモ切りすると、
二萬二萬二萬四萬五萬五萬六萬六萬九萬九萬九萬中中
 山本のこんなメンホンに命中となった。

 手と手がぶつかっただけなのだが、少しだけ違和感が残る。
 山本の捨て牌からは、明らかにワンズの多さが読み取れ、一萬、ション牌の發と手出しされ、とどめがション牌の東をツモ切り。当然、ワンズのメンホンも考えられる局面。
 私が(勝手に)イメージする須藤の雀風は、こういった局面では一索二筒四筒を抜く。なんとなく東2局の放銃を精神的に引きずっているのかなと思えた。

 対照的だったのが小林の対応。
二萬三萬四萬五萬七萬八萬四筒五筒六筒九索九索東東
から、山本の東には見向きもせず、ツモ山に手を伸ばす。そして七萬をツモると当然のように東切り。
 山本、須藤の攻めや六萬九萬待ちのアガりやすさ、とにかく局面が見えている印象を受けた。

 須藤の苦悩は続く。東4局、井出が翻牌を含めて二つポン。その捨て牌は四索の数巡後に手出し二索がある。
 須藤のツモは一索。手の内には二索三索四索というメンツがある。しかも山本がたった今四索を捨てたばかり。
 ということで須藤が選んだのは当然の四索切りなのだが、これが小林のこんな手に命中。
七萬八萬九萬三筒四筒五筒九筒九筒五索六索六索七索八索 ドラ九筒
 わがままな私なら「今日はこれで失礼します」と言って帰るところだが(ウソ)、ここから粘るのが須藤の真骨頂。

 東3局その3では、食い仕掛けの誘惑をとことん我慢し、終盤にこんなテンパイ。
三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒二索二索五索六索七索 ドラ四筒
二筒は既に4枚切れで苦しいが、とにかく押すしかない。流局覚悟のこの手牌に飛び込んだのはトップ目の山本だった。
 山本の手牌は、
三萬四萬五萬五萬六萬六萬六萬七萬四筒五筒五筒六筒七筒 ツモ八筒
と3メン待ちに受け替えてのもの。小林が二つ食い仕掛けており、須藤のテンパイが見えにくくなっていたのが須藤に幸いしたか。

1半荘目終了時
山本 + 6.3
小林 + 5.9
井出 + 3.1
須藤 ▲15.3


第3節B卓2半荘目、起家から小林・須藤・山本・井出。

 山本が1300・2600を加点するが東2局に落とし穴が待っていた。
 ノミ手ながらテンパイを入れているところへ、小林が3人目の仕掛け。これが七萬五萬六萬でドラが四萬万だから、メンツ・ルール・場況を考慮すると逆に脅威を感じる。
 が、待ちは絞れず八索をツモ切りすると、
四萬四萬四萬八筒八筒三索四索五索八索八索 七萬五萬六萬 ドラ四萬
という7700の直撃。
 山本の持ち味は手数の多さ。積極的な攻めを見せるので、主導権を握ることも多いし、アガリも多い。山本にとって、こういった放銃は税金みたいなものなのだろうか。

 山本は続く東3局の親番でも強気な攻めを見せる。
 5巡目に高目タンピン三色、安目ピンフのみというテンパイを入れ、8巡目に安目をツモるやツモ切りリーチを敢行。
 結果は須藤に追いつかれ、逆に3900点を献上。
 4万点台のトップ目から2万点台の3着目へ……。本当に点棒をよく動かす打ち手である。

 これで小林が2着と1万点以上離したトップ目に立った。小林は、さらに700・1300に700オールを2連発と断トツ。

 南2局は須藤最後の親番。ここは粘りを見せ、なんと4局連続リーチ。いずれも破壊力十分の手牌だったが、アガリに結びついたのは2600オール1回だけ。それでも須藤、あの出だしからラス抜けのきっかけを掴むことはできた。

 南3局12巡目、須藤がラス抜けに向けて渾身のリーチ。
一萬二萬一筒二筒三筒一索二索三索七索八索九索南南 ドラ三萬
 すぐに親の山本がツモ切りで追っかける。
三萬三萬四萬五萬四筒五筒六筒一索二索三索四索五索六索 ドラ三萬
 ゴジラ対キングギドラのようなリーチ合戦は、須藤が六萬を掴み決着がついた。
 山本はトップと4500点差の2着へ浮上。本当に点棒をよく動かす打ち手である。下から上へ動かすこともできるのだから、やはりこれは山本の武器なのだろう。

 途中の山本の選択が面白い。
三萬三萬四萬五萬三筒四筒五筒六筒二索二索三索四索五索六索 ドラ三萬
 一筒八筒は手順で捨てている。345の三色を睨んで六筒切りとする人も多いと思うが、山本は打三筒六萬チーを重視したのである。

 南3局その2は小林が井出から1600で親を落とし、迎えたオーラス、トップ小林と2着山本との点差は6100点。
 山本、5巡目に条件にかなうテンパイが入る。
五萬五萬六萬二筒二筒三筒三筒四筒四筒五筒五筒七筒七筒 ドラ八索
 いわゆるツモ直。
 6巡目の選択が面白かった。二筒をツモ切り。五萬切りではリーチが必要になる。6巡目という時点で、この四萬七萬待ちと心中するのが嫌だったのだろう。ラス目と点差の離れた親・井出の反撃も容易に想像がつく。リーチをかけたときには、井出から出たロン牌を2着のままアガるか、見逃すか判断が難しい。

 8巡目に小林がひとつチーを入れる。すると山本のツモは七筒。もはや一刻の猶予もなしと五萬切りリーチを決断したが、直後の井出の打牌が小林のロン牌だった。

第3節B卓結果
小林 +21.8(±0)
山本 +12.7(+1)
井出 ▲ 3.1(▲4)
須藤 ▲31.4(▲2)

※ 2007年度プロランキング戦成績 http://www.mu-mahjong.jp/rankingmach_proleage2007.htm